住宅の照明計画で現場に行くと、スポットライトは当たり前のように下向きになっています。
けれど、吹き抜けの壁に取り付けるなら、デフォルトは上向きであってほしいのです。
明るさは床面の照度だけで決まるものではない、人が感じる明るさは「明るい面の量」、つまり視覚に入る明るさの面積で大きく変わります。吹き抜けの高い壁面をアッパーで照らせば、視覚面積が一気に広がり、実際の照度以上に明るく感じられ、光が上へ伸びることで、空間のダイナミズムも強調されます。
もちろん、下向きに使う場面や手元を照らす、物を照らすといった実用面では有効です。ただ、それはあくまで機能の話。空間としての面白さや広がりは生まれにくいのです。吹き抜けの高さやスケール感を活かしたいなら、光は上へ向けて使いたいです。

「下向きスポットライト」 水平面は明るくても明るさ感には貢献していない。
吹き抜けでなくても同じことが言えます。天井を照らし、その反射光で空間を包む。直接光ではなく、面から返るやわらかな明るさは、住宅に穏やかな奥行きを与えてくれます。
スポットライトの魅力は、その可動性にもあります。アームは360度回転し、シェードは約90度振れ、光の方向を自在に変えられる器具なのです。
取付位置で気を付けたいのは高さ。FL2000以上は確保したいです。低すぎると視野角に入り、眩しさの原因になります。器具を見せない工夫も大切。今回は入口正面の壁ではなく、反対側の壁に設置しました。
スポットライトは、単に照らすための器具ではなく空間の視線を、ふわりと上へ導いてくれる小さな仕掛けなのです。

「上へ向けたスポットライト」 吹き抜けからリビングに降り注ぐ光
施工事例
非常勤講師を担当する穴吹デザイン専門学校の学生と見学会に参加してきました。
照明デザインを担当した住宅で、広島市の小高い丘から宇品湾を臨む素晴らしい展望です。
後期の授業が終了していたにも関わらず、「見学会を開催するよ」と伝えたところ、瞬時に集まる情熱あふれる学生たち。彼らと共に学び、成長できることに幸せを感じます。

お引き渡し前にも関わらず、快く見学会の実施を了承していただいた山上先生、ご厚意をいただいたお施主様、そして建設会社の皆様に深く感謝申し上げます。また、現地で丁寧に説明をしてくださった打越さんのサポートにも感謝しています。
吹き抜けに設置された大きなペンダント照明「GREGG」にも注目が集まりました。1台あたり30kgもあるこの照明を取り付けるには、2人がかりでの作業だったこと・ペンダントも多灯使いをすればシャンデリアになるこなど座学にはないリアルな現場で見て学ぶ体験ができました。
また、建築に関するカラースキームや収まりの話題も取り上げられ、学生たちは熱心に耳を傾けていました。作り手のチームは豊富な知識を持ち、どんな質問にも丁寧に答えることができました。
学生たちは見学中、目をキラキラと輝かせながら積極的に見学し、多くの質問をしてとても熱心でした。メモを取ったり、写真を撮影したりする姿が見受けられ、彼らがこの経験を通じて大いに刺激を受け、今後の活動にも活かしてくれることと思います。


学校の広報の方の現地レポートはこちら
コマーシャルワークとしてのライティング
今回のライティングでは、視認性と演出効果を両立し、福山市の文化と音楽祭の意義をより広く伝えることを目指しました。今後も、コマーシャルワークとしてのライティングの可能性を探りながら進めました。
完成の様子はこちら「ふくやま文化芸術ホール_ライトアップ2023_2024」
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安全性への配慮
イベント期間中は多くの人々が訪れるため、足元の安全性にも十分な配慮を行いました。照明の配置を植木鉢に添わせるようにし、段差や障害物の認識を容易にすることで事故防止に努めました。やむなく通路をまたぐ場合は少しの溝に這わせて超強力テープで養生。1週間ほどの仮設では全く剝がれる様子はありませんでした。また、ライティングの演出と安全性のバランスを考慮し、過度なまぶしさを避けつつも視認しやすい明るさを維持できる照射距離を調整しました。
現場でのシミュレーション
ライティングデザインを実際の現場で効果的に機能させるため、事前のシミュレーションを徹底しました。照明の角度や光の強さを調整しました。特に、イベントの開催時間帯に合わせた光の変化をシミュレーションすることで、来場者や沿道の人々への視覚効果を狙えるように検討しました。
最終的には、緑1色より緑と赤のコンビネーションになりました。
今期も開催されますが前年度からの反省点や課題はあり、マイナーチェンジをしながら深めていくプロジェクトとなります。
完成の様子はこちら「ふくやま文化芸術ホール_ライトアップ2023_2024」
雑誌ガレージライフの記念すべき100号に照明プランを手掛けた住宅が掲載されました。
ガレージライフは、ガレージの専門誌での1997年に創刊されました。
所さんの世田谷ベースも最初に取材・特集を組んだ老舗雑誌です。
100号の巻頭6ページに乗るということは100号までに様々な家がありましたが、
そのTOPにふさわしいと編集者さんが判断されたということですよね⁉
それって今、日本で一番あついガレージ⁉と勝手に思ってしまいました。
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F1レーサーの松田次生さんがモデルで来られていました。(白いトレーナー)
現地に伺っていた私は、リクエストに合わせて素早くスイッチ操作をする係り。
照明が変わるたびに驚いてくださる取材クルー皆さん。
取材のプロの仕事を近くで見ることが出来て楽しかったです。
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エンジンにサイン!!サービス精神旺盛の松田さんでした。
Garage Life 100号、絶賛発売中につき、是非お手にとってご覧ください。
GarageLife (ガレージライフ) 2024年7月号 Vol.100 [雑誌] | GarageLife編集部 | 趣味・その他 | Kindleストア | Amazon
車と住まう家
趣味と住まう家 ~ガレージハウス~ | 広島県 照明デザインアトリエ Tica.Tica inc. / 株式会社 ティカ. ティカ (tica-tica.com)
イルミネーション取付現場の様子です。
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樹木のイルミネーションを取付。脚立が必要な難所から始め、床面作業へ。
球体のイルミネーションの浮遊感を出すために吊り下げはワイヤーを使用。職人さんの細かな仕事が際立ちます。
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雨雪対策で床から50cm以上上げて電源部を設置。下から見えないよう隠れています。
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ワイヤーで吊っているので風にもほどよく揺れます。
完成の様子はこちら「北欧イルミネーション」
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3mの選定用の脚立(3脚脚立)で高天井への器具取付。
仮設なので建物にやさしく、結び目は強く全12台を吊り下げていきました。
本編はこちら。
江田島イベント | 広島県 照明デザインアトリエ Tica.Tica inc. / 株式会社 ティカ. ティカ (tica-tica.com)
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品番:FE74458〈Falling Shadow〉 参考:TECTURE MAG
障子に落ちた影をイメージしてデザインされた壁紙
ここから木漏れ日を連想してインテリアコーディネートとホームスタイリングをいたしました。
アクセント小物として照明器具やキャンドルも使用。
詳細はこちら☟
この度、照明を担当しましたガレージハウス「福山ベース」にて2023年 照明学会 中国支部 優秀施設賞を受賞いたしました。
2年に渡る壮大なプロジェクトにつき、撮りためた記録も多く、レアな照明手法のストックも増えました。
今後、完成の様子はインスタグラム。
現場の様子は、ブログにてご紹介させていただきます。
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中角・挟角を比較し料理の見え方と明るさのバランス
テーブルのどこまでを照射範囲とするかなどを検討
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中庭を照らす光 光源の照射角と器具の傾きのチェック
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エッジの効いた影を映す挟角に決める
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中庭用の器具は直付タイプからコンセントタイプにカスタムメイド
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コードは砂利で埋めて隠す方向へ
腰格子へ間接照明の仕込みの様子
配線用の穴も慎重に開けていきます。90度方向に開口できるドリルにて。
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わずか20㎜の隙間に器具を収めて内部雨戸を嵌めると渋色に反射して
深みの増した間接光が浮かびました。
港町の古民家宿の完成はこちら