非常勤講師を担当する穴吹デザイン専門学校の学生と見学会に参加してきました。

照明デザインを担当した住宅で、広島市の小高い丘から宇品湾を臨む素晴らしい展望です。

後期の授業が終了していたにも関わらず、「見学会を開催するよ」と伝えたところ、瞬時に集まる情熱あふれる学生たち。彼らと共に学び、成長できることに幸せを感じます。

お引き渡し前にも関わらず、快く見学会の実施を了承していただいた山上先生、ご厚意をいただいたお施主様、そして建設会社の皆様に深く感謝申し上げます。また、現地で丁寧に説明をしてくださった打越さんのサポートにも感謝しています。

吹き抜けに設置された大きなペンダント照明「GREGG」にも注目が集まりました。1台あたり30kgもあるこの照明を取り付けるには、2人がかりでの作業だったこと・ペンダントも多灯使いをすればシャンデリアになるこなど座学にはないリアルな現場で見て学ぶ体験ができました。

また、建築に関するカラースキームや収まりの話題も取り上げられ、学生たちは熱心に耳を傾けていました。作り手のチームは豊富な知識を持ち、どんな質問にも丁寧に答えることができました。

学生たちは見学中、目をキラキラと輝かせながら積極的に見学し、多くの質問をしてとても熱心でした。メモを取ったり、写真を撮影したりする姿が見受けられ、彼らがこの経験を通じて大いに刺激を受け、今後の活動にも活かしてくれることと思います。

学校の広報の方の現地レポートはこちら

【照明デザイン】新築物件の見学に行きました|穴吹デザイン専門学校 デザイナーがデザイナーを育てる環境

コマーシャルワークとしてのライティング

今回のライティングでは、視認性と演出効果を両立し、福山市の文化と音楽祭の意義をより広く伝えることを目指しました。今後も、コマーシャルワークとしてのライティングの可能性を探りながら進めました。

完成の様子はこちら「ふくやま文化芸術ホール_ライトアップ2023_2024

安全性への配慮

イベント期間中は多くの人々が訪れるため、足元の安全性にも十分な配慮を行いました。照明の配置を植木鉢に添わせるようにし、段差や障害物の認識を容易にすることで事故防止に努めました。やむなく通路をまたぐ場合は少しの溝に這わせて超強力テープで養生。1週間ほどの仮設では全く剝がれる様子はありませんでした。また、ライティングの演出と安全性のバランスを考慮し、過度なまぶしさを避けつつも視認しやすい明るさを維持できる照射距離を調整しました。

  

現場でのシミュレーション

ライティングデザインを実際の現場で効果的に機能させるため、事前のシミュレーションを徹底しました。照明の角度や光の強さを調整しました。特に、イベントの開催時間帯に合わせた光の変化をシミュレーションすることで、来場者や沿道の人々への視覚効果を狙えるように検討しました。

最終的には、緑1色より緑と赤のコンビネーションになりました。

今期も開催されますが前年度からの反省点や課題はあり、マイナーチェンジをしながら深めていくプロジェクトとなります。

完成の様子はこちら「ふくやま文化芸術ホール_ライトアップ2023_2024

雑誌ガレージライフの記念すべき100号に照明プランを手掛けた住宅が掲載されました。

ガレージライフは、ガレージの専門誌での1997年に創刊されました。

所さんの世田谷ベースも最初に取材・特集を組んだ老舗雑誌です。

100号の巻頭6ページに乗るということは100号までに様々な家がありましたが、

そのTOPにふさわしいと編集者さんが判断されたということですよね⁉

それって今、日本で一番あついガレージ⁉と勝手に思ってしまいました。

 

F1レーサーの松田次生さんがモデルで来られていました。(白いトレーナー)

現地に伺っていた私は、リクエストに合わせて素早くスイッチ操作をする係り。

照明が変わるたびに驚いてくださる取材クルー皆さん。

取材のプロの仕事を近くで見ることが出来て楽しかったです。

エンジンにサイン!!サービス精神旺盛の松田さんでした。

 

Garage Life 100号、絶賛発売中につき、是非お手にとってご覧ください。

GarageLife (ガレージライフ) 2024年7月号 Vol.100 [雑誌] | GarageLife編集部 | 趣味・その他 | Kindleストア | Amazon

 

車と住まう家

趣味と住まう家 ~ガレージハウス~ | 広島県 照明デザインアトリエ Tica.Tica inc. / 株式会社 ティカ. ティカ (tica-tica.com)

 

 

妄想で旅する照明デザイナーodaです。

梅雨の訪れを前に天気の変化のはげしい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

梅雨の時期は湿度が高く、昼間でも室内はどんよりと暗く感じられがちです。そこで照明を効果的に使い、心地よい空間をつくりたいものです。

そんな空間づくりには、昼間でも夜でも点けていて邪魔にならない間接照明のペンダントライトがお勧めです。

今回の旅は、世界中で愛され北欧デザインのアイコンにもなっているポールへニングセンの「PH5」の世界を巡ります。

PH5は、食卓を低い位置から照らすことを想定してデザインされたペンダントランプで、1958年に発表されました。その名が示す通り、直径50cmの特徴的なシェード。どこから見ても器具内にあるランプは見えず光を必要とされる場所に効率よく導く設計になっています。


不正確極まりない光線を発するフロスト球

それまでのPH5は主としてクリアガラス電球のフィラメント光源から放射される光線を基準にデザインがなされていました。

その一方で、新たな電球の開発も進み電球全体が拡散発光する半透明なフロストガラス製の白熱電球が普及しつつありました。

へニングセンは「不正確極まりない光源を発する」と述べており、フロスト電球は彼の理想とする光源からはかけ離れたものだったようです。

その後のPH5はそのフロスト電球の使用を前提にデザインされているのでへニングセンの光への情熱がさらに強く反映されることとなりました。

対数螺旋と呼ばれる数学的なカーブにより、直接光と間接光の特性と影の重要性を表現するために考え抜かれています。まさに影のデザインにおける傑作と言えるでしょう。


建築的アプローチ

このデザインは、建築で言うところの「フォルムフォローズファンクション(形式が機能に従う)」の原則を体現しています。電球全体を3枚の小さな反射板と4つのメインシェードですっぽりと包み込むことで、すべての光が間接照明の原理で扱われているのが大きな特徴です。電球の真下が円形の蓋で閉じられている点にもデザインの徹底ぶりが伺えます。光源から発する光は、小さな反射板によって拡散反射しながら、4つのっメインシェードで方向づけらて光を放ちます。最上部のシェードは、対数螺旋によるトランペット型の形状をしており、上方に昇ってきた光を水平方向に広げる役割を果たしています。

PH5は空間を定義し、美化し、そして最適化する建築的要素を確立し優れた建築物と言ってよいのではないでしょうか。

断面の写真 断面模型による光の振る舞いの検証(九州産業大学 小泉隆研究室製作)

PH5の世界を一緒に旅していただき、ありがとうございました。

イルミネーション取付現場の様子です。

 

樹木のイルミネーションを取付。脚立が必要な難所から始め、床面作業へ。

 

 

球体のイルミネーションの浮遊感を出すために吊り下げはワイヤーを使用。職人さんの細かな仕事が際立ちます。

 

雨雪対策で床から50cm以上上げて電源部を設置。下から見えないよう隠れています。

 

ワイヤーで吊っているので風にもほどよく揺れます。

完成の様子はこちら「北欧イルミネーション」

3mの選定用の脚立(3脚脚立)で高天井への器具取付。

仮設なので建物にやさしく、結び目は強く全12台を吊り下げていきました。

 

本編はこちら。

江田島イベント | 広島県 照明デザインアトリエ Tica.Tica inc. / 株式会社 ティカ. ティカ (tica-tica.com)

品番:FE74458〈Falling Shadow〉  参考:TECTURE  MAG

 

障子に落ちた影をイメージしてデザインされた壁紙

ここから木漏れ日を連想してインテリアコーディネートとホームスタイリングをいたしました。

アクセント小物として照明器具やキャンドルも使用。

 

詳細はこちら☟

モデルハウスのインテリアとスタイリング

暑さきびしいですが、夏をお元気にお過ごしください。

写真:沖縄 百名ビーチ

夏のお休みは、下記のとおりとなります。

2023年8月11日(金)~16日(水)

妄想で旅する照明デザイナー odaです。
季節を感じてお送りしている、光と建築の便り。
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本日7月7日は「七夕」です。

織姫は、こと座「ベガ」 彦星は、わし座「アルタイル」
どちらも1等星同士だから夏の夜空で明るく輝きます。(お天気がよければ)

部屋の照明を落とし、窓越しに1等星のペンダントライトを楽しんでみては如何でしょうか?

本日の旅先は「まつもと市民芸術館」です。
設計は日本を代表する建築家の一人 伊東豊雄。
館長兼芸術監督に俳優・演出家の串田和美を迎えて2004年8月に開館しました。
日本では珍しい4層のバルコニー席を備える馬蹄形の主ホールは、
音響家が選ぶ優良ホール100選に選ばれています。


自然光と人工光のマリアージュ

館の特徴であるエントランスから大ホール入口までの長い長い階段。
階段の右側の壁面はランダムにドットが散りばめられ、
透明のドットと半透明のドットが複雑かつドラマティックな陰影を映します。
ドットはガラス象嵌となっており、いわゆる面一に収められていてすっきりとしています。


七変化する壁の作用は輝度

画像は左と中央は日中、右は夜間の輝度画像。
日中はドットの輝度が高くガラスが輝いて見えるが夜は輝度差が逆転し、
ガラス部が黒い斑点のように見えます。

壁面の輝度を自在に操り壁を七変化させています。


 

参考書類:光の建築を読み解く


自然光が気持ち良い照明LABO

少しご案内。
Tica.Tica LABOは2022年12月に開設した光の実験室です。
実験室といっても堅苦しいことはなく、自然光人工光に限らず光を体感できる空間です。

自然光が気持ちよく入る空間ですので、どちらかというと人工光の実験には不向きかもしれません。

学びも良し、瞑想にもよし、ゆっくり語らうもよし。な空間です。
夜はライトアップもしております。

この度、照明を担当しましたガレージハウス「福山ベース」にて2023年 照明学会 中国支部 優秀施設賞を受賞いたしました。

2年に渡る壮大なプロジェクトにつき、撮りためた記録も多く、レアな照明手法のストックも増えました。

今後、完成の様子はインスタグラム。

現場の様子は、ブログにてご紹介させていただきます。

中角・挟角を比較し料理の見え方と明るさのバランス 

テーブルのどこまでを照射範囲とするかなどを検討

 

中庭を照らす光 光源の照射角と器具の傾きのチェック

 

エッジの効いた影を映す挟角に決める

 

中庭用の器具は直付タイプからコンセントタイプにカスタムメイド

 

コードは砂利で埋めて隠す方向へ

 

 

腰格子へ間接照明の仕込みの様子

配線用の穴も慎重に開けていきます。90度方向に開口できるドリルにて。

 

わずか20㎜の隙間に器具を収めて内部雨戸を嵌めると渋色に反射して

深みの増した間接光が浮かびました。

 

港町の古民家宿の完成はこちら