照明計画を提案するとき、私は必ずCGシミュレーションを行います。
それは完成予想図を美しく見せるためではなく設計の精度を上げるためです。
今回の計画では、設計士の方が内装材の色選びで迷われていました。
壁のトーンひとつで、空間の印象は大きく変わるけれど私にとって重要だったのは、印象だけではなくその色が、光の行方をどう変えるかという点でした。
素材の色や質感は、光の反射率を左右し
壁が明るければ視覚面積は広がり、空間は軽やかになります。
逆にトーンを落とせば、光は吸収され、重心は低くなります。
つまり内装材の選択は、照明計画そのもの。
そこで最初の検証課題を「光と素材の相性確認」に置き
同じ配灯でも、壁材が変わると輝度バランスはどう変わるのか。
反射光の量はどの程度違うのか。
照度・輝度設計を平行して行いながら、空間全体の見え方を確認していきました。
CGシミュレーションは、未来の空間を先に体験するための装置と言ってもいい。
それは施主にとっての安心材料になる。完成後の「思っていたのと違う」を減らすことができます。
同時に、それは設計者にとっての安心材料でもあり感覚だけに頼らず、光と素材の関係を検証したという裏付けが、設計の判断を強くします。
光は目に見えない。
だからこそ、見える化し、確かめていきます。